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時には花の背景にある物語や古典文学を想像しながら

2025/7/29~15

燕子花(カキツバタ)は、早春から晩秋まで季節の移ろいとともにいつでも楽しめる数少ない花材のひとつです。様々な表現方法によってその趣きを存分に感じることができます。しかし、市中の花屋さんからはなかなか手に入れることができないので、本当に残念です。

燕子花(カキツバタ)と言えば、古典文学「伊勢物語」に登場する「八橋(やつはし)」の舞台が有名です。だいぶ前のことですが、燕子花をいける講習会に参加した際に、先生が説明してくれました。

・・・在原業平が八橋の沢(愛知県知立市)に咲くカキツバタを見て、その美しさを「かきつばた」の五文字を句頭に据えた和歌(かきつばた、という言葉を各句の頭に置いて詠む歌)に詠んだということです。このエピソードは多くの人々に愛され、八橋が名勝地として知られるようになったきっかけだそうです。