身近な自然 ~2014


2014.10.30 サルナシ(コクワ)               五天山にて
2014.10.30 サルナシ(コクワ)               五天山にて

 思いがけない季節のプレゼント!? 

 いけばなにおいても秋は実ものの季節。実ものを題材に、あるいは花材の取り合わせに使うことがたびたびあります。ご承知のようにコクワ蔓は、とてもポピュラーな花材です。しかしこの実を使った作品はこれまで観たことがありません。

 ふかふか絨緞のような落ち葉の上をハイキング気分で歩いていると、あたり一面に甘酸っぱいジュースのような芳香が漂っていた。足元を見ると、ありました。正体はコクワの実。おそらく昨夜の風で落ちたのでしょう。よく熟しています。頬張ると口の中でジャムのようにとろけて「甘~い!」 昔から疲労回復などに効果が期待されている優秀な健康食品です。

 

 

 

2014.10.6 タカネナナカマド        日本アルプス 涸沢カールにて
2014.10.6 タカネナナカマド        日本アルプス 涸沢カールにて

山仲間とともに訪れた涸沢カール。穂高連峰の最高峰である奥穂高岳(3190m)に登るためだった。ところが台風18号の影響で残念ながら涸沢カールにて足止め。登頂は叶わなかった。

 雨足が弱くなるのを見計らって周囲の偵察。有名なカメラスポットにもなっている。少し登ったところで出会ったタカネナナカマドの真っ赤な実と葉が本当に美しい。たとえどんな天候でも、誰しもこの美しさには心奪われることと思う。この景色を見られただけでもはるばる来た甲斐があったというもの。事実、翌朝は風雨のためすっかり葉が落ちてしまった。

 帰路、上高地から見上げる穂高に再会を誓った。

 

2014.9.17 ナラタケ                  喜茂別岳にて②
2014.9.17 ナラタケ                  喜茂別岳にて②

コレは天(自然?!)からの恵み。

 北海道では『ボリボリ』と呼ばれ、親しまれています。昔からハナイグチ(ラクヨウ)やホンシメジと並びとても人気のある食用キノコです。まだ出始めでしたが、いくつか株のようになって生えているのを見つけました。

 誰ですか? 「花より団子」と言っているのは。早速、煮物にしたら歯切れがよく美味しくて家族にも評判がよかったです。

 

2014.9.17 蝦夷御山竜胆(エゾオヤマノリンドウ)    喜茂別岳にて①
2014.9.17 蝦夷御山竜胆(エゾオヤマノリンドウ)    喜茂別岳にて①

花展などのためスケジュールがとてもタイトになっていて今月の山行は難しいかなと心配していましたが、チャンスが訪れました。これでなんとか年頭の自分への誓いを果たすことができました。

 この日は「女心だってこれほどは変化しないよ!」と思うほどの天候でした。雨が降ったり晴れたりアラレが降ったり・・・・・・。それでもやっぱり山は最高でした。紅葉が始まり秋の花は少しだけ。写真は、途中で出会ったエゾオヤマノリンドウです。

 一般的なエゾリンドウに比べると茎頂付近にだけ花が咲きます。この日はお天気が余りよくなかったので花弁は閉じていますが、お稽古にくるリンドウよりずっと愛らしかったです。

 

2014.8.14 深山秋の麒麟草(ミヤマアキノキリンソウ)   余市岳にて
2014.8.14 深山秋の麒麟草(ミヤマアキノキリンソウ)   余市岳にて

お盆のお休みを利用して旧友と出かけた余市岳。夏の余市岳は、実に20年ぶり位だろうか?

 山で出会うこの季節の顔馴染みと言ったら、まずこの花を思い浮かべる。写真は標高1200m付近で写したもの。

 正直言うとアキノキリンソウなのかミヤマアキノキリンソウなのか、ちょっと怪しい?! 低地でたびたび出会うのはアキノキリンソウ。この花の高山型がミヤマアキノキリンソウで別名は黄金菊(コガネギク)という。標高約2000m近い大雪山の山間では、普通に見ることができる。

 

2014.7.9 蝦夷紫陽花(エゾアジサイ)         小樽赤岩山にて
2014.7.9 蝦夷紫陽花(エゾアジサイ)         小樽赤岩山にて

20日ぶりに赤岩山を訪ねたら、道端の花の顔ぶれがすっかり変わっていました。旬はエゾアジサイとクルマユリ。

 特にエゾアジサイは、グリーンの林の中で放つ水色が清涼感たっぷりです。少し濃いブルーや薄紫、ピンク色がかったものもあり、絹のような艶やかなやわらかさを感じました。

 

2014.6.29 ハマナス                北海道開拓の村にて
2014.6.29 ハマナス                北海道開拓の村にて

6/28~29、北海道開拓の村にて小原流札幌支部の如月会のみなさんによるいけ花の展示がありました。

 気持ちのよい夏の日差しの午後、こっそり訪ねてみました。

それぞれの建物に合うようにいけられた作品は、どれも素敵で、まるで元々そこにあったかのようにホッとする空気をかもしだしていました。

 さて、村の中を歩いていると、北海道の花ハマナスに出会いました。花が終わると実をつけ赤く熟します。ローズヒップは、この実のことです。

 

2014.6.18 蝦夷透百合(エゾスカシユリ)       小樽下赤岩山にて
2014.6.18 蝦夷透百合(エゾスカシユリ)       小樽下赤岩山にて

祝津からオタモイまで海岸線に沿った低山を歩きました。

 赤岩山は、北海道のロッククライマーにとってはとても有名な場所です。海岸からそびえるいくつもの岩稜が圧巻です。

 この日は、生憎霧のため展望はありませんでしたが、日当たりのよい岩の斜面にエゾスカシユリが咲いていました。すぐ近くにも小さな群落をつくっていましたが、そちらの方は危険なため、近かづけず撮影することが出ませんでした。シベリアや樺太、中国の北東部そして北海道などに自生しています。サロマ湖近くのワッカ原生花園が日本最大の群生地として知られています。鮮やかなオレンジ色が一際目立ちミニ縦走にアクセントをつけてくれました。

 この写真は同行したSetsukoさんが撮影したものです。うっかりカメラを忘れたため、頼んで写してもらいました。

 

2014.5.18 桜(関山)                 松前公園にて       
2014.5.18 桜(関山)                 松前公園にて       

5月18日、小原流函館支部 創立90周年「記念式典・特別講習会」が開催され、私もそのお祝いのため函館に行ってきました。

 せっかくこの季節に函館に行くのですからということで、松前まで足を延ばし花も団子(獲れたての海の幸、最高!でした)も堪能しました。さすがに桜の名所だけあり、素晴らしかったです。早咲きのものはすでに散っていましたが、遅咲きの一葉(いちよう)、関山(かんざん)などは満開で見ごろを迎えていました。

 勿論、京都などには遠く及びませんが、約700年(札幌はせいぜい150年ほどの新しい街です)もの歴史ある土地をもっとじっくり味わいたかったです。松前は3度目の訪問でしたが、また訪ねます、いつかきっと。

 

2014.5.5 ヒトリシズカ                  八剣山にて
2014.5.5 ヒトリシズカ                  八剣山にて

ヒトリシズカ(一人静)のエピソードは、とても有名なのでご存知の人も多いことと思います。「静」とは、静御前のこと。吉野山で優雅に一人舞う姿をイメージして名付けられた「吉野静」という別名もあるくらいです。

 ところが、山里で見るヒトリシズカは、決して一人ぼっちではなく、多くの場合この写真のように束になって群生しているのです。そこで私はちょっと笑いをこらえて嫌味っぽく「一人はやっぱり寂しいのかい?」と、声をかけてしまいます。

 艶やかな4枚の葉に包まれて、すくっと背伸びをしているような春先の姿がとても好きです。

 

2014.5.1 自然の造形                   小漁山にて
2014.5.1 自然の造形                   小漁山にて

 小漁山(コイザリヤマ)は、札幌市と千歳市の分水嶺となっている稜線上の一山だ。

 真駒内から支笏湖へ向かう国道453号線を走る時、右側に連なっている山々がそれだ。標高約1000m~1300mの緩やかな起伏上には、厳しい風雪に耐えこのような面白い姿をしたダケカンバがそこここに点在している。

 この時季ダケカンバの足元は雪に覆われているが、この陽気で間もなくハイマツと笹の海になることだろう。勿論、登山道は無い。

 

2014.4.21 水芭蕉①      マクンベツ湿原にて
2014.4.21 水芭蕉①      マクンベツ湿原にて

北の街にもようやく春が訪れました。

石狩川流域にあるマクンベツ湿原の水芭蕉が咲き始めました。見ごろはまだまだこれからですが、小振りで真っ白な苞がさわやかです。

 朝、早起きして訪ねてみて、ちょっと得した気分になりました。

2014.4.21 水芭蕉の群生地②
2014.4.21 水芭蕉の群生地②

湿原の水面がまるで鏡のようになって、空を映しています。少し寒いくらいの朝の清々しい空気に心も体もシャキッとしました。

 

2014.3.31 今に動き出すよ!岳樺              白老岳にて
2014.3.31 今に動き出すよ!岳樺              白老岳にて

物語ならば、これらの木々には顔があり、誰もいない時には喋り出し動き出す。そんな様相の岳樺に出会った。

 何を話すのか、耳を澄ませて聞いてみたい衝動にかられ身動きせずにじっと見つめてみるが・・・・・・。

 上空の雲が飛ぶように流れていく。相当な風の強さがうかがえる。昼食のアンパンを急いで頬張り、下山の支度をしながらもう一度木々を見上げる。すると、不思議なことに繊細な梢の動きがピタリと止み「また、おいで!」と、言われたような気がした。

 

2014.3.22 どことなく可愛らしい雪景色<その1>     奥手稲山にて
2014.3.22 どことなく可愛らしい雪景色<その1>     奥手稲山にて

綿菓子のようなふっくらとした雪がなんとも言えず可愛らしく感じました。どこかから妖精や小人がひょっこり現れて来ないかなと目を凝らしてみましたが、もちろん見つけられません。奥手稲山山頂近くでの何気ない風景です。

 

2014.3.22 雪景色<その2>     奥手稲山にて
2014.3.22 雪景色<その2>     奥手稲山にて

もう一枚は枯れ木です。

いかがですか? 小原流のみなさんにとっては「写景盛花・自然本位」のテーマになりそうな木だと思いませんか?

時間が許せば、四方からじっくり眺めてみたいと思うような立ち姿でした。

 この日の天候は、時々強くなるような雪模様でしたが、厳冬期ならばもっと寒々しく厳しい風景に見えるのだろうと思いました。

 

2014.3.16 弥生の太陽             十勝岳山系 三段山にて
2014.3.16 弥生の太陽             十勝岳山系 三段山にて

北海道の三月の山々は当然雪景色。しかし、厳冬期のそれとはやはり少し違う。そんな日差しが今日の太陽だった。ベールのような雲に遮られていたが、どことなく温か味が感じられた。

 ザックを下ろしカメラを構えた私に背後から声がした。「あの太陽写せばいいっしょ!」 私の大切な山仲間S氏の勧めで写した一枚がこれだ。久しぶりの三段山だったが微笑をもって迎えられたような気がした。

とは言え、「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が弥生の名の由来とのことだが、北国が春を迎えるのはもうしばらく先になりそうだ。

 

2014.2.5 松の回廊?!                   西岡焼山にて
2014.2.5 松の回廊?!                   西岡焼山にて

 雪をまとった松が行儀よく立ち並び、まるで回廊のようになっていた。一直線に伸びた小道の遥か向こうには札幌の市街地が望まれ、ここが緩やかな丘陵地帯であることがはっきりと解る。

今冬は、ソチ冬季オリンピックの話題で盛り上がっているが、白銀をスキーで滑降する楽しさはアスリートでなくても爽快そのもの。

 「よし、行こう!」と言う友の声に応えて雪を蹴る。

 

2013.12.8 オオカメノキ(ムシカリ)冬芽          手稲山にて
2013.12.8 オオカメノキ(ムシカリ)冬芽          手稲山にて

西野の浄水場あたりから通称ネオパラ山を散策。はじめのうち地面にうっすらと積もっただけでしたが、徐々に雪が深くなりいつの間にか膝丈くらいの深さになるまで登ってみました。

 木々はすっかり葉を落とし冬の装い。ふと、林道脇のオオカメノキに目が留まる。もう来年の準備をしている。これから始まるこの北国の厳しい冬を耐え抜く覚悟ができているようだ。

「頑張ってね!」

物言わぬ植物に、またひとつ教わった。

 

2013.11.20 初冬の里山でアート!?             盤渓山にて
2013.11.20 初冬の里山でアート!?             盤渓山にて

久々に山歩き。季節は、すっかり移ろっていました。山全体が落ち葉の絨毯で覆われたようにフワフワになっていて、木々は丸裸。そのためこの時期は周囲の展望が抜群です。

 歩くたび足元に積もった落ち葉がカサコソと音をたて、メロディのよう。突然、アルバート・ハモンドの『落ち葉のコンチェルト』が脳裏に浮かび、青春の甘酸っぱい思い出とともに甦る。口ずさんでみたら何故か嬉しくなる。

 大きなホオノキの葉を見つけたので4人でアートしてみました。ヒューモアたっぷりでしょ! 朴の木は、殺菌作用があり、昔から食材を包むなどされていたのはご存知の通りです。落ち葉も火に強く、有名なのは飛騨高山の『朴葉味噌』。

 

2013.11.20 何のツメあと?                盤渓山にて
2013.11.20 何のツメあと?                盤渓山にて

登山道脇に立つ背の高いトド松。何の痕跡でしょう? そうです。ヒグマの爪痕と思われる傷がついていました。爪痕の少し上の樹皮が剥がされていて樹液がたれた様子もしっかり。美味しい虫でもいたのかな?
 時々、札幌市内の住宅地近くに出没してニュースになりますが、山の中では会いたくない動物です。

 

2013.9.19 秋色に染まる山稜              大雪山黒岳にて 
2013.9.19 秋色に染まる山稜              大雪山黒岳にて 

偶然にも前夜初雪が降ったという黒岳に登りました。山の上部は少し寒々しい風景でしたが中腹は見事な紅葉です。

グリーンの山麓から満艦飾に、そして雪化粧された山々の色彩のグラデーションに改めて『美しい日本』を感じました。

他の写真は、facebookにアップしました。以下で見ることができます。

https://www.facebook.com/yoko.ono.357

 

2013.8.31 奥鳥兜(オクトリカブト)             白旗山にて
2013.8.31 奥鳥兜(オクトリカブト)             白旗山にて

トリカブトは有毒植物の代表格。別名は『附子(ブスまたはブシ)』と言い、毒・漢方薬として用いられています。

 私たちが思い当たるもっとも広く知られている狂言の演目に『附子』があります。主が「この中にあるものは附子だから、けして近づいてはいけない」と、使用人の太郎冠者と次郎冠者に言い残し外出する。ところが、使用人はその噓を見破り食べてしまうというくだり。昔語りの『一休さん』にも、同じような話があり、すでに室町時代の頃には人々はトリカブトのことを知っていたのかと、改めて感心してしまいました。

 

2013.8.8 雲井竜胆(クモイリンドウ)         大雪山白雲岳にて
2013.8.8 雲井竜胆(クモイリンドウ)         大雪山白雲岳にて

本州の北アルプス(槍ヶ岳が有名です)などに自生する当薬竜胆(トウヤクリンドウ)によく似ているので、エゾトウヤクリンドウと呼ばれたりします。しかし、クモイリンドウは、トウヤクリンドウより背丈が低くかつ花は大きいとのことです。『クモイ』とは、もともとは『雲居』のことで、雲の居る高い山にある竜胆のこと。

 8月、この花を観るためだけに登る登山者も少なくありません。今回、運よくこの花に会うことができました。

 広大な大雪山の中でも白雲岳、小泉岳、赤岳の周辺のみに生息していると言われています。

 さりげない誇張をしながら神秘的な表情をあわせもち、私の大好きな花のひとつです。

 

2013.7.23 薄雪唐飛廉(ウスユキトウヒレン)  ニセイカウシュッペ山にて
2013.7.23 薄雪唐飛廉(ウスユキトウヒレン)  ニセイカウシュッペ山にて

 薄雪というのは、葉の表面に真綿のような薄い白い膜がかかったように見えるものを『薄雪』に例えたのだろうと想像でき、いかにも北国らしい命名と感じます。また、飛廉とはアザミのことだそうです。それに花の容姿を洋風に感じたのか『唐』を冠したというのですから、ちょっと早合点で滑稽な気がします。

 実は、北海道の高山の砂礫地(主に大雪山や日高山脈、羊蹄山など)に分布するウスユキトウヒレンですから。

 

2013.7.10 クルマユリ        三角山から大倉山への縦走路にて
2013.7.10 クルマユリ        三角山から大倉山への縦走路にて

木立の中の気持ちの良い縦走路は、口笛でも吹きたくなるような尾根上の小径。
 急斜面を足元に注意しながら下り降り、再び緩やかな登り。少し単調になったところで、アクセントをつけてくれたのがこのクルマユリ。小雨に打たれたあとの清々した空気の中、小さな橙色が目に鮮やかでした。

 

2013.7.9 ① モウセンゴケ         無意根山(ムイネヤマ)にて
2013.7.9 ① モウセンゴケ         無意根山(ムイネヤマ)にて

そこら一面のモウセンゴケ。しゃがみこんでよくよく観ていると不思議な気分になってきました。

 まるで、得体の知れない宇宙人の襲来のようです。私自身はガリバーにでもなったような気持ちで、ミクロの世界に突入。かの宇宙人は触覚のような赤いトゲトゲ(長腺毛)を周囲にめいっぱい広げて獲物を待っているようです。

 山間部の高層湿原などで時折見かける希少な食虫植物です。無意根山の大蛇ケ原(オロチガハラ)で撮影しました。
もう少しで、意外に可愛らしい白い花が咲きそうですよ。

 

2013.7.9 ② ハクサンイチゲとチングルマの群落
2013.7.9 ② ハクサンイチゲとチングルマの群落

山頂直下の雪渓の残る斜面で出会ったハクサンイチゲとチングルマの群落。

 札幌近郊の山でもこんなにたくさんの高山植物に会うことができます。

 

2013.7.9 ③ エゾキンバイソウ(シナノキンバイソウ)
2013.7.9 ③ エゾキンバイソウ(シナノキンバイソウ)

ハクサンイチゲ畑の中にぽつぽつと咲いていたエゾキンバイソウ。
高山の草原に咲く代表的な植物です。

 

2013.7.3 オオハナウド                 札幌岳にて
2013.7.3 オオハナウド                 札幌岳にて

渓流沿いの登山道は、オオハナウドの街道になっていました。この手のセリ科の植物は、種類も多く形状もよく似ているので私のような素人には判別が難しいです。

 この花も、「エゾニュウ」か「アマニュウ」かと思っていましたが、帰宅して、特長をよく調べてみたらどうも「オオハナウド」らしい。高さも2mくらいはありました。大柄なので山の中でもよく目立ち、いつも気になっていたところでした。せっかくだからこれを機にセリ科の植物をもっと勉強してみようかな。それにしても、花材にあるレースフラワーによく似ています。

 

2013.6.19 オオカメノキ(ムシカリ)          春香山にて
2013.6.19 オオカメノキ(ムシカリ)          春香山にて

今、札幌近郊の山々では虫狩(ムシカリ)が旬です!

 私の山仲間のほとんどは、この花を”オオカメノキ”と呼びます。しかし、花仲間は皆”ムシカリ”と。でも、全く同じ植物です。

 いけばなでは、春の芽出しから夏、晩秋まで楽しめる花材として重宝しています。白い花は飾り花(装飾花)なので実になりませんが、花序の中央の小さな蕾は両性花で赤~黒の実をつけます。秋になると葉が真っ赤に色づきとてもきれいです。

 特徴のある落葉低木なので出会ったらすぐそれと分かり、私も好きな木です。ところで、かの有名な利休が愛した花と聞いたことがあります。と、云うことは、目前のこの花が、茶花、伝統花・・・・・・信長や秀吉が愛でたかもしれない・・・・・・。ウ~ン、まさに時空を超えたロマン?! 茶道に詳しい方、教えて、真偽のほどを。

 

2013.6.12  エゾイソツツジ(イソツツジ)
2013.6.12 エゾイソツツジ(イソツツジ)

「あったよ~! 咲いているよ~!」

突然、友の明るい声が響いた。私は急いでカメラをウエストポーチに押し込み、声のする方向へ走り寄った。

イソツツジだ!

実は登山道に入ってまもなく現れたイソツツジは、硬い蕾はおろか葉も枝も精彩がなく、期待が外れてちょっとがっかりしていたところだった。それがこの花をかわきりに歩くにつれてどんどん開花していた。

「今年もまた会えたね、樽前山のイソツツジ」

 

2013.6.7   天神ふじ
2013.6.7 天神ふじ

天神山ふもとのフジが見ごろとの情報を得て訪ねてみました。

 この藤は北海道最古の藤とのこと。  昭和45年の表記で樹齢150年余とは現在では200歳近いのですね。それだけでも凄い!と思うのに、この大きさ、豊富な花々、芳しい甘い香り、蔓の力強さ、どれをとっても人の寿命は樹木にはかなわないなと、ちょっと哲学的な気持ちになりました。

 

2013.6.7 天神ふじ
2013.6.7 天神ふじ

本当に見事な藤(フジ)の大木です。私の画像では充分に表現できないのが歯がゆいですが、その迫力に圧倒されました。

 

2013.6.2 シダ
2013.6.2 シダ

 シダ類の群落です。

グングンと成長している勢いを感じる見事なシダが株となり、群生しています。八剣山の北側の斜面で撮影しました。

タニワタリや玉シダ、レザーファン、山シダ、ゼンマイ、雁足(ガンソク)など、いけばなにおいてシダは、割と頻繁に使われる植物です。

 

2013.6.1 稚児百合(チゴユリ)
2013.6.1 稚児百合(チゴユリ)

この写真は、白旗山のチゴユリ。その名のとおり小さく可愛らしい表情をしています。日差しを遮る木陰に群生していました。下を向いているので撮影しにくいのですが、この花を見るといよいよ夏が来るなぁと感じます。

この日も札幌は29度の暑さでした。

 

2013.5.29 エゾノリュウキンカ
2013.5.29 エゾノリュウキンカ

空模様を気にしながら山仲間とともに手稲山に行って来ました。

 初めのうちは二輪草などの草花を愛でながらの楽しい山歩き。しかし、登山道も中ほどから上部は残雪が多く、傾斜地では伏流水が湧き出て小さな流れが小川のよう。そして、その流れに沿うように黄金色の花が……。そう、エゾノリュウキンカです。しっかりと天を見据える花の表情に、一瞬にして疲れが吹き飛び、なぜか明るい気持ちになります。これぞ、リュウキンカ・マジック?!

 この花は、普通は花弁が5枚ですが、写真のものは8枚もありました。また、ご承知のように、北海道では「ヤチブキ」と呼ばれ、昔から山菜として親しまれています。

 

2013.5.14 近郊の山々の春、生命の息吹!
2013.5.14 近郊の山々の春、生命の息吹!

山はまだ早春。木々の芽吹きはもうすぐ。林の中で空を見上げる。久しぶりの青空。透明感のある空気。明るく気持ちが良い。

このすがすがしさを、ホームページをご覧のみなさんにもお届けしますね。

 

その2 
その2 

空から足元に視線を移すとこんな感じ。例年に比べると10日~2週間は遅れている雪解け。たいてい木々の根元から雪解けが始まり、地面が顔を出す。

 

その3 カタクリ
その3 カタクリ

その地面をズーム・イン!

春の山野草が、陽を浴びて恥ずかしそうにうつむいている。

 

その4 エゾエンゴサク
その4 エゾエンゴサク

山の春は忙しい。周りは一面の雪なのに、ところどころ顔を出した地面からはやわらかな緑色の葉が一斉に芽を吹く。短い春を競うように。

 

2013.5.15 福寿草(ふくじゅそう)
2013.5.15 福寿草(ふくじゅそう)

前回撮影の10日後の福寿草。

周りの雪はほとんどなくなり、歩きやすい。

 

2013.5.5 福寿草(ふくじゅそう)
2013.5.5 福寿草(ふくじゅそう)

午後、しとしと降っていた雨が上がったので、娘に付き合ってもらい今年もフクジュソウに会いに行きました。案じていたとおり今年の雪解けは遅く、「今日はまだ会えないかな・・・」と雪の上を歩いて行くとエゾ鹿と思われる足跡がそこここに。その足跡を目で追いながら鹿の行動を想像してみるのも楽しいひと時。

 帰路、半ば諦めながらそれでも丹念に探していると、いつのまにか足元に・・・。お天気があまりよくなかったので、花弁を閉じていましたがフクジュソウの群落です。

 

2013.5.3 えぞ松
2013.5.3 えぞ松

真冬に逆戻りしたかのような旭岳。森林限界を越えた上部は全くのホワイトアウトで、地上と空との区別もつかない様相でした。ここはようやく視界はありますが、モノクロームの世界に迷い込んだような錯覚(もちろんカラーで撮影したものですが)に。その上、すこぶる枝振りの好いダケカンバとパウダースノー。しびれるような頬の感覚。

 

2013.5.3 自然の芸術!?
2013.5.3 自然の芸術!?

何気なく山歩きをしていると、時としてドキッとするような芸術に出会うことがあります。雪の上に描かれた文様は、風の仕業?

ずっと見ていても飽きないような風紋の上をサラサラと雪が舞う。

 

2013.4.23 バッコヤナギ? or エゾノバッコヤナギ?
2013.4.23 バッコヤナギ? or エゾノバッコヤナギ?

 定山渓天狗山を背景に撮影してみました。

 この時期は、雪がよく締まり、夏はブッシュで到底歩くことができない里山も長靴で自由自在に歩くことができます。同行者のM氏によると今年は例年よりはるかに多い積雪とのことでした。まだまだたっぷりの雪の中、沢筋で出会ったバッコヤナギ。図鑑で調べたら葉の細長いものをエゾノバッコヤナギといい、区別しているとのことです。さて、これはどっちなのでしょう?

 

2013.4.23 ふきのとう
2013.4.23 ふきのとう

 山腹南側の傾斜地にある雪の割れ目では、気の早いふきのとうが芽を出していました。耳をすますと聞こえるのは、雪の溶ける音。

 以前、新聞で読んだのですが、ふきのとうは前年の晩秋にはもう固い芽を出し雪の下でじっと春を待つのだそうです。黄緑色の葉を、羽化するかのようにゆっくりと広げようとしています。触ってみると、まるで赤ちゃんのような軟らかさでした。

 

2012.7.25 高嶺女郎花(タカネオミナエシ)
2012.7.25 高嶺女郎花(タカネオミナエシ)

フゥーフゥー言いながら登っていくと、大雪山赤岳山頂近くで私たちを出迎えてくれました。

 高さは10cmほどです。普段私たちがお花屋さんから購入するオミナエシは1m近くもありますから、全く違う植物のように感じますが、同じ仲間です。オミナエシは云わずと知れた『秋の七草』のひとつ。秋の写景盛花(自然景観を描写)では代表選手の一角を担っていますが、脇役になることが多いようです。

 しかし、高山のこんな表情のタカネオミナエシなら主役級でしょう。いつか、あなたも会いに行きませんか?

 チシマキンレイカと呼ぶ人もいます。

 

2012.7.16 イワオトギリ
2012.7.16 イワオトギリ

写真は、ニセコにある目国内岳の登山道脇で出会ったイワオトギリ(高山の岩礫地や草原に咲いていることが多い)。気をつけて歩いていると、オトギリソウ(中腹部にて)にも出会いました。いわくありげな名前は弟切草と書き、平安時代の伝説によるものとされています。

 さて、いけばなでよく使われるのは、未央柳(ビヨウヤナギ)。名前はヤナギですが、実はヤナギの仲間ではなくオトギリソウの仲間とのこと。なるほど、この花を見ると納得できます。

 もうひとつは、ヒペリカム。黄色い花が終わって赤やオレンジや緑の実がついたところを使います。秋から冬(特にクリスマスのころはこの花が重宝します)にかけてお花屋さんに出回るので、よく見かけます。和名は、小坊主弟切(ゴボウズオトギリ)と呼ばれています。 

 

2012.7.1 睡蓮(すいれん)
2012.7.1 睡蓮(すいれん)

 北海道庁の池の睡蓮が見ごろと思い、訪ねてみました。

夏の日差しはまぶしいくらいでしたが、心地よい風が頬を通り過ぎます。カモがいかにも悠々と目の前の水面を横切り、傍らでは観光客が盛んにシャッターを切っていました。のどかな風情は、まさに都会のオアシス。

 野生種は未草(ヒツジグサ)。北海道では、雨竜沼など山地の沼や池などに自生しているエゾノヒツジグサが有名です。ここのものと比較すると、葉も花もぐっと小さく白くて清楚な感じの花です。

 

2011.10.20 シマ(ツバキ科)
2011.10.20 シマ(ツバキ科)

 マレーシアのキナバル山に登ったときに出会いました。キナバル山は世界的にも有名な植物の宝庫で、各国から研究者が訪れています。ただ歩いているだけで、固有種も含めて数え切れないほどの種類の植物を見ることができます。特にランの種類やウツボカズラが有名です。

 この写真は、”Shima(シマ)”という花です。なんと、日本人が発見したそうです。そのため日本人の名前がつけられたと説明してくれました。可愛らしくて気品があって・・・・・・。同じ日本人として、ちょっと誇らしげな気持ちになりました。

 

2011.8.9 蓮(ハス)
2011.8.9 蓮(ハス)

滝川で蓮の栽培をしている農家を訪ねました。

見事な一面の蓮です。池の中に咲いている蓮は何度か見たことがありますが、このようなのは初めてでした。農家の方の了解を得て、すぐそばに近づくことができ、じっくりと観察できました。

 以前「蓮の花は開花するときにポンという音がする」と聞いたことがあったので、農家の方に聞いてみました。すると、何年も栽培しているけれど一度も聞いたことが無いとのことでした。また、「このレンコンは食べられますか?」と尋ねたところ、食用の蓮根は、もっと深い池のようなところで栽培していてこれとは違うのだそうです。もちろんこの蓮にも蓮根があり、何年かごとに掘って植え替えをしなければならないそうです。手間をかけて大切に育てられていることが分かりました。

 

 

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