「東月寒会館」教室 2019


2019.12.17~9.10

 昨年の秋から更新できずにいた写真をようやく整理しました。ずっと気にしつつも結果的に後回しになっていました。写真を整えながら一枚一枚見ていると時間があっという間に過ぎていきます。もっとも私が撮影した素人の写真ですし、奥行きを表現することは難しいのですが、ひとつひとつの作品に想いがあります。そして「ここは、もう少し別の説明の仕方があったかな?」とか「この作品は花や葉の整理をもっと厳しくしても良かったかな?」等々、私自身の反省が多いです。

 お稽古で調達できる花材に制限がある中、みなさん、良くついて来てくれて感謝です。この教室では、この一年スカッとするような気持ちの良い作品をいっぱい見せてもらえました。定石ではあまり考えられないような取合せや表現には私も一緒に悩みましたね。

 これからも色々なことに臨んでいきましょう。そして、何よりも楽しみましょう!

2019.9.3 8.27 8.20 & 7.29

 

2019.7.9 7.2 6.25 & 6.18

 以前は割と手軽にお稽古できた花材がなかなか手に入りにくくなり、お稽古したくてもできないことが多くなりました。カーネーションやガーベラ、菊、向日葵など花束やアレンジメントに使用する花材は容易に手に入りますし、場合によっては安価に販売されていることもあります。けれども、とりわけ水ものと呼ばれる睡蓮や河骨など季節限定の花材は流通しているのを全く見ません。花菖蒲や燕子花もやがて花屋の店頭から姿を消すのではないかと心配しています。これは、私が暮らす北海道だけのことでしょうか? お花屋さんの話では、栽培農家自体が減少しているとのことです。

 そのような訳で、手に入いる花材は限られていますので、お稽古にはタイミングが肝要です。お花屋さんとのコミュニケーションを密にして、チャンスがあった時にはできる限り色々な花材に触れたいと考えるようになりました。この点、山も同じです。山はいつでもそこにあるので登りたい時に行けば良いと思っていましたが、自然災害などで登山道や登山口までのアプローチが崩壊したり、国や自治体が管理できなくなり行かれなくなることがあります。第一自分の体力の問題もあります。

 さて、この時期、あちらこちらの庭先などで見かける擬宝珠は、家庭で栽培でき手入れも簡単ですから毎年お稽古したい花のひとつです。大小の葉があり斑入りのものなど種類も色々あります。

2019.6.11 6.4 5.28 & 5.21

 それぞれの季節の旬な花に出会う喜びは、いけばなを知らない人でも感じることと思います。

 雪解け後に毎年当たり前のように咲くチューリップに春の訪れを感じ、桜の開花に心躍らせる。ライラックの芳しい香りに酔いしれ、木立の緑は夏の眩さだ。

 札幌近郊において珍しく男性的な山容の定山渓天狗山(その険しさから天狗岳と呼ぶ岳人も多い)は、実は高山植物の山としても有名だ。山を始めて間もない頃、漕ぐように草をかき分け、喘ぎあえぎ登った山中で、出会う植物にいちいち感激したのを今でも時々思い出す。細い沢の岩壁に咲く橙色のエゾノスカリユリと出会ったのもそんな時だった。野生の透かし百合と初めて出会った瞬間だった。オレンジ色の透かし百合を見るたび、あの日の汗と感動が思い出される。

2019.5.14 5.7 4.30 4.23 & 4.9

 このひと月の間に元号が『平成』から『令和』に変わりました。これを機会に、理由はありませんが自分自身もさらにアップグレードしていけるように『人生』を頑張りたいです。時代の移り変わりを、小さな変化にも心を寄せて植物から学んでいきたいと思います。 

2019.4.2

 お稽古をしている間に、まるでスローモーションを見ているかのように小さな蕾が大きく開花しました。アネモネです。天門冬のやわらかで優雅な動きと良くマッチしていると思いました。

 さて、学生時代の友人たちから次々と入るLINEの写真とメッセージは各地の桜の風景。どれもこれもインスタ映えのする景色で見事です。私もせめて桜の蕾の膨らみを写そうと木の下に行ってみましたが、まだ残雪があり、しかも空からは季節外れの雪。撮影した写真を確認してみると、とてもLINEに載せられる状況にありませんでした。待っていて! 一か月後には札幌の桜をお届けするから。

2019.3.26

 薊(アザミ)。昭和の時代は、例えば町の中でも空き地や野原、道ばたなどで普通に見られていたけれど、この頃はあまり見かけないよねと、話題になりました。そう言えば、我が家の周囲もほとんどアスファルトやコンクリートで、近くの公園でもせいぜいタンポポくらいかな。

 こどもの頃、ムンムンとする草の香りの中でしゃがみ込みシロツメクサで首飾りや冠を編んだり、草と草とで綱引きをして遊んだりと、今にして思うと随分のんびりとした時代でした。余談ですが、タンポポの茎を折ると牛乳のような白い液体(乳液と呼んでいましたがラテックスという)が出ることも遊びの中で自然に観察していたこととなります。


2019.3.19

 お彼岸も過ぎるのに、逆戻りしたかのような冬景色(3/23)の札幌です。まだ三月だからこんな日があるのは当然なのかもしれませんが、今年は雪が少なかったせいか春が早いと思い込んでいましたので、道産子の私でさえ「おっと?!」という感じです。

 さて、『水も花なり』とは、小原流で習った言葉です。それだけ水の果たす役割の重要性、大切さを説いているものと思われます。とりわけ自然感のある花材や表現の仕方によってそれを強く感じます。この日お稽古した二つの作品は、芽出しの植物です。枝の影を写す水盤の水を見て「あぁー、そろそろ水温む季節だな」と、感じた次第です。

2019.3.12,3.5,2.19 & 2.12 

 なかなかホームページを更新できずにいるうちにひと月余りが経ちました。お花屋さんから届く花材には春の花木が多く見られるようになりました。今年は、例年より早く季節が進んでいるようです。

 春を思うとウキウキするような待ち遠しい気持ちです。少し落ち着いたら、どこかに小さな春を探しに行きたい気分です。

2019.2.5

2019.1.29

2019.1.22

  菜の花は身近な自然を感じる植物のひとつです。似たようなアブラナ科の黄色い花びらはちょっとした街角の空き地などでもちょこちょこ見かけます。暖かな春の光景を思い浮かべるうちに、かの有名な俳句が頭に浮かびました。

  菜の花や 月は東に 日は西に  (与謝野蕪村)

とてもスケールが大きい風景です。蕪村が詠むこの俳句にどんな景色があったのでしょう。気になり始めて調べてみました。

 安永3年(1774年)に与謝野蕪村が、現在の神戸市にある六甲山地の摩耶山(まやさん)を訪れたときの句だそうです。西の空に夕日が沈みかけていて空は茜色、摩耶山から見下ろすと黄色い菜の花が一面に美しい。同時に見える月と太陽。穏やかに暮れゆく春の色と香りと空気。江戸時代、摩耶山がある神戸市灘区では、菜種油を生産するために菜の花が栽培されていたようです。

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