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中世の宮廷料理に食された鮮やかで可憐な赤い実

2025/5/21&14

花材にあったフサスグリに薄緑色の実がついていました。私が子どもの頃、近所のお庭にありました。夏の初めに真っ赤に熟した可愛い実が酸っぱかったのを覚えています。周りの大人はその実をカリンズと呼んでいました。

いけばなの花材に入ってきたのは初めてです。果実はまだ未熟な状態でしたが、フサスグリについて調べてみました。

かつてフランスの王侯貴族の間で「美肌の秘薬」として珍重されていたという話があります。特に16世紀頃のフランスでは、貴族の間でフサスグリの果汁をスキンケアに用いる習慣があったみたいです。

また、フサスグリジャムはイギリスの伝統的な料理にも欠かせない存在で、特に「レッドカラントゼリー(Redcurrant Jelly)」はローストラム(羊肉)と絶妙に合うとされています。歴史的には、中世の宮廷料理にもこのゼリーが登場し、英国王室の晩餐会で供されることもあったそうです。ケーキやお菓子にちょこんとのっている姿も可愛いです。